複数組織を束ねる教育運営~過去・現在・未来の3段階で設計する全体最適のしくみ

複数の組織を取りまとめるには、まず役割分担と運用フローを明確に把握し、その内容を関係各所に伝えることが重要です。
しかし、「この件はあの人に」「それに関してはこの機関に」と属人的な判断に依存した運用を続けていると、全体像が見えづらくなり、運営の最適化が進まなくなることがあります。研修の体系や運営方法の見直し、新たなツールの検討を行うにも、全体像が見えなければ具体的な要件整理が進まないのは当然です。
情報量が多く要件定義が進まない
複数組織を統括する立場では、判断材料となる情報量が膨大です。そのため、システム導入や業務改善を進める際の要件定義が滞りやすくなります。
例えば、研修運営用のシステム導入を検討する場合、システム要件、人員工数の算出、各所との調整など、想像以上に手間と労力を要する作業が待っています。
どこで壁を感じるのか
複数組織を束ねた運営では、次のような点で壁を感じることが多いものです。
- 複数の担当者が関わっており、全容把握に時間がかかる
- 多くの下部組織へ展開するため、案内・周知・調整で手間がかかる
- 組織階層や役割が複雑で、システム化が難しい
関わる担当者や組織体が多ければ多いほど、各目線の課題が生まれ、より一層要件の完全な取込みが難しくなります。そのため、システム開発を依頼される側にも、要件をくみ取る経験値や柔軟な対応力、技術力が求められます。つまり、単なる「開発担当」ではなく、「運用パートナー」としての視点が重要になります。
過去・現在・未来の3段階で見る運用設計~全体像を失わないために
複数組織の運営を最適化するには、個別の課題を点で捉えるのではなく、「過去・現在・未来」の3段階で全体像を整理することが効果的です。以下の観点で運用を見直すことで、無理や抜け漏れのない設計が可能になります。
1. 「これまで」を活かす
「新しい運用を始めるから過去データはリセット」という判断は、運営の継続性を損ないます。これまでの情報を引き継げるかを考慮することが、プロジェクト推進の鍵となります。
- 過去の履歴も十分に登録できる容量があるか
- 膨大なデータの取込みに耐えられるスペックか
- 複数の組織に対してもサポート・セキュリティ対応が可能か
2. 「今」のやり方を再考する
既存のやり方を踏襲することで、利用者のスムーズな導入が可能になります。一方で、システム導入を契機に、非効率な手順を見直すことでメリットが生まれます。
- 運用範囲ごとの権限を割り当てることにより、不要な手順を省略できる
- 関係機関が同一システム上で進捗確認をリアルタイムに行える
- 任用会計職員など、これまで対応が難しかった範囲にも拡張できる
3. 「これから」の構想を広げる
必要な運用を整えた後は、新たな要件や改善要望が生まれることが多いです。システムの拡張や業務統合を行うことで、受講者の混乱を防ぎ、管理者の運用負担も軽減できます。
- システム上でディスカッションできるコミュニケーションスペースを設ける
- 受講票や修了証に二次元コードを付与する
- ひとまとめになった履歴データを分析し、次年度の運営改善に活かす
属人化を防ぐパートナー戦略~外部支援をどう使うか
仕様検討から実際の運用までを担当者のみで行うのは、非常に大きな負担です。外部業者でも下記のような提案やサポートを含めての運営の一端を担える存在であれば、安定した推進を支えるパートナーとして検討する価値があります。
- 現在の運用をシステムやサポート内に落とし込む際、全体像を見据えた提案力
- 組織体系や研修運営に関する深い知見
- 課程や決定事項をまとめ顧みることができる
教育運営をサポートするインソースのサービスのご紹介
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